重度歯周病は、

あなたの生活に

影響を及ぼします

重度歯周病も治る?

重度歯周炎歯周炎の治療

重度歯周炎では、すでに歯周炎により歯を失っていたり、新たに歯を抜かなくてはならないケースが多くなります。また、歯がぐらぐらと動揺していたり、歯が動いて伸び出てきたり傾いたりすることで、歯と歯の間に隙間ができたりすることもあります。

したがって、軽度あるいは中等度の歯周炎の治療に加えて、口腔機能回復治療という治療が必要となります。口腔機能回復治療とは、歯周病によって失われた口腔機能 (咀嚼機能、審美性、発音機能など) を回復するための治療の総称で、固定性ブリッジ、可徹性義歯(入れ歯)、あるいは口腔インプラントといった失った歯を補うための治療の他に、咬み合わせを調整する治療,矯正治療,複数の歯の連結固定、などの処置などが含まれます。

自覚症状が出てくる中等度歯周炎。日本歯周病学会が治療例をお見せします。

一般的には、喪失した歯が少数である場合には、固定性ブリッジと呼ばれる被せ物により治療が、多数の歯を喪失した場合には、可徹性義歯による治療が選択されることが多いです。

口腔インプラント治療には、固定性ブリッジのように歯を削る必要がないことや可徹性義歯よりも自分の歯と同じように快適に咬めることなどの利点もありますが、手術が必要になることや保険診療では行えないという欠点もあります。

重度歯周炎においても、軽度あるいは中等度の歯周炎の治療と同様に、まずは患者さん自身が歯に付着したプラークを除去できるようにトレーニングした後、歯周ポケットの中に付着しているプラークや歯石を除去するスケーリング・ルートプレーニングという処置を行い、深い歯周ポケットが残った場合には外科処置をおこないます。

歯周外科治療について日本歯周病学会が詳しく解説!どこよりも詳しくお伝えします。

その後、口腔機能回復治療を行いますので、治療回数が増え、治療期間も長期化するケースが多くなります。いずれの口腔機能回復治療を行った後も,長期的に歯周組織を安定させ,歯周炎を再発させないため,適切なメインテナンスを行う必要があります。

重度歯周炎を改善した症例

患者さんは51歳の女性で,右上の奥歯の歯肉が腫れて痛みがあったため来院されました。右上の奥歯は4本とも動揺していました。また、右上の前歯、下の奥歯など、すでに歯周炎によって4本の歯を失っていました。

上の前歯は下に伸び出て外側に広がっているため、歯と歯の間に大きな隙間もみられました.特に下の前歯の歯茎は赤く浮腫んでおり、歯茎に炎症が起こっていることがわかります。

腫れている歯に対して抗菌剤を投与して症状を消退させた後、ブラッシング指導を行い、歯に付着しているプラークを除去できるようトレーニングを行いました。上手にブラッシングができるようになった後、歯の表面に付着している歯石を除去しました。

そして,歯肉の奥の方に付着しているプラークや歯石を6回に分けて除去しました。歯の根の中の治療や虫歯の治療も行い仮歯を被せました。その後、保存することが困難と判定された歯を2本抜きました。上の左右の奥歯に対しては、エムドゲインというお薬を使った歯周外科治療(歯周組織再生療法)を2回に分けて行いました.。

歯を失っていた下の左右奥歯の部分には、口腔インプラント治療を行いました.右下の奥歯は前方に倒れ込んでいたため、矯正治療によりまっすぐになるように起こしました。

上の歯はブリッジによって治療を行い、歯のない部分を補うとともに、動揺している歯を固定しました。

歯周ポケットが浅くなり、歯肉からの出血もみられなくなった後、咀嚼機能や審美性を回復させるための口腔機能回復治療をおこないましたので、治療期間は5年を要しました.その後、メインテナンス治療として半年に1回通院して、定期検診と歯のクリーニングなどを行っています。

治療前

治療後

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