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さ、歯医者にいこう!

歯周病の検査や歯科ドックがなぜ重要?

どうして歯周病の検査が必要なの?

歯周病は初期の段階では痛みなどの自覚症状を伴わないため、気がついたら進行して重症化していることがあります。

歯周病治療の前に検査を受けることで、歯周病がどの程度進行しているのかを把握することができ、治療を効果的に進めていくために重要です。

歯周病の進行因子は1つではなく複雑に絡む場合があるため、検査を行いながらリスクをきちんと把握すると、後のメインテナンスにも役立ちます。

歯周病は進行する病気です。進行段階ごとの状態や症状をしっかり理解しましょう。

歯周病検査の実際

プラークコントロールレコードの計測

歯周病の主な原因となっているのは、歯に付着しているプラーク(歯垢)です。

日常のブラッシングで、しっかり自分でプラークが除去できていると、治療を進めやすくなりますし、再発しにくくなります。

歯に付着したプラークがどれくらい広がっているのか、赤い染色液で染めて評価します。

治療前だけでなく、治療中やメインテナンス中にもプラークの検査を行います。

プラークコントロールレコードというスコアを記録して、スコアが20%未満になるまでフラッシングが上達してから本格的な治療を行うとよいとされています。

ただし、歯周病の進行度やお口の環境などによって、目安となるスコアは異なります。患者さん自身によるブラッシングが十分できてからでないと、歯周病の処置はあまり効果が出ないので、プラークの検査が大切です。

歯周ポケットの深さ、出血の有無、炎症度合いの計測

健康な人でも歯と歯ぐき(歯肉)の間には約1mmの溝があり、これを歯肉溝と言いますが、歯肉に炎症が起こると歯肉が腫れて、この溝が深くなります。

これを仮性ポケットと言います(歯肉炎の状態)。

歯肉炎はブラッシングできれいにプラークを取り除くと治りますが、そのまま放っておくと、歯を支える骨も溶けて歯周炎という状態になることがあります。

歯周炎では、歯と歯肉の付着が徐々に剥がれて、付着位置が根の先の方へと移動していきます。

このようにしてできあがった歯と歯肉の間の深い溝のことを歯周ポケットといいます。

歯周ポケットが深くなっていても、その部分が歯肉で覆われていれば、その深さは分かりません。

そのため、歯と歯肉の隙間に器具を挿入して溝の深さを測ります。歯周ポケットの深さが4mm以上になると歯周病が進行していると考えられます。

深い歯周ポケットでは歯ブラシが届きにくく、ポケットの中の細菌が増えて炎症を起こしていることがあります。

器具の先端が炎症を起こした歯肉に触れると出血することがあります。

歯周ポケットを測る際に、膿や出血があるかどうかで歯肉の炎症を調べます。

歯の動揺度の検査

歯周炎では歯を支える骨が溶けてしまい、支える骨の量が少なくなって歯がグラグラすることがあります。

ピンセットで歯を揺らして、歯がグラグラしているかどうか調べます。

レントゲン撮影

また、歯の周りの骨がどれくらい残っているかを調べるために、エックス線検査を行います。エックス線検査は、1本1本の歯や歯周組織(骨)の状態を詳細に知ることができます。

上下左右と前歯と奥歯をそれぞれ撮影すると、合計で10~14枚撮影することになります。

歯と歯の間は、健康な場合には歯ぐきのすぐ下まで骨で充たされていますが、歯周炎になると、歯を支えている骨の量が減ってしまいます。

歯ぐきの下まで骨が充たされている

歯周炎によって骨の量が減っている

検査をすることで、患者さん1人ひとりの歯周病の原因を分析し、それを取り除くためにはどのような治療をどのような順番で行っていくかという治療計画を立てることができます。

例えば、歯周病が進行して残すことが難しくなった歯を無理していつまでも残しておくと、治療期間が長くなるばかりか、隣の歯を支えている骨に悪影響が出ることもあります。

歯を残せる可能性があるのかどうか、きちんと検査して判断してから治療することが必要です。それによって、歯周病が再発するリスクが減少し、治療全体を通しての来院回数が減り、コストも抑えられます。

このように歯周病検査は歯周治療を進め、お口の健康を維持する上で非常に重要といえます。

歯周病の治し方について、歯周病の進行状態に応じて、歯周病の専門家が解説!

歯科ドックについて

歯科ドック検診は歯周病やう蝕(むし歯)などの検査の他、咬む・飲み込むといった機能、さらには口の中の細菌などを検査して、総合的にお口の健康状態を調べるものです。

人間ドックと比べると歯科ドックはまだ十分に普及していませんが、歯科ドックを開設している施設は増えています。

これまで日本では歯の痛みなどの自覚症状が出てから歯科治療を受けるのが一般的でした。

しかし歯周病は症状も無く進行するため、歯ぐきが腫れる、歯がぐらぐらするといった自覚症状が出るまで放置すると、場合によっては歯を抜かなければいけないほど重症化してしまいます。

歯科ドックは有意義な検査です

歯科ドックを定期的に受診することは歯周病や虫歯の早期発見につながります。

虫歯や歯周病が重症化する前に治療を受ければ治療期間や費用の負担、さらには歯を失うリスクを抑える事ができます。

また歯科ドックを受けることでお口の健康に関心が高まって、歯の清掃状態や食生活が改善されて全身的な健康増進に働くこともしばしばあります。

歯科ドックはお口の健康増進にとって大きな意味があります。

2型糖尿病の改善に役立てる

歯周病が全身の健康と密接な関連をもつことが分かってきました。

糖尿病の方は歯周病の重症化リスクが高いことが知られていますので、歯周病には特に注意が必要です。歯周病も糖尿病に悪影響を与えます。

2型糖尿病の方は、歯科ドックで歯周病の状態が明らかになれば、適切な治療を受けることで糖尿病が改善する可能性があります。

また歯科ドックで咬む・飲み込むといった機能が明らかになると、糖尿病の食事療法でも何をどのように食べて食生活を改善していくのが効果的なのか、参考にすることができます。

口腔状態を確認し、周術期の適切な口腔ケアを行う

癌や脳梗塞などで手術を受ける患者さんは、入院期間が長くなるとそれだけ負担が大きくなります。

最近では周術期の口腔ケアとして、手術の前にお口の清掃を行うことで細菌感染のリスクが大幅に低下し、入院期間の短縮につながることが知られています。

病気になる前に歯科ドックでお口の健康状態を確認して、適切な治療を受けていれば、万一の時も安心です。

歯周病による早産や低体重児出産のリスクヘッジに歯科ドックを

他にも歯周病が早産・低体重児出産のリスクを高めることも注目されています。

歯周病の妊婦さんは早産や低体重児出産のリスクが高いことが報告されています。

妊娠中でも安全に歯科治療を受けることは可能ですが、普段から歯科ドックでお口の状態を把握できているとより安心でしょう。

歯科ドックを受けて、あなたに適した治療や予防方法を見つける。

歯科治療は痛いのではないか、怖い、費用がかかりそうなど、なかなか治療を受ける決心をつかない方もおられます。

歯科ドックは治療のための検査ではないので、歯科医院を受診するまで十分に時間をかけて考えられるのも利点かもしれません。

歯科医院で定期的に口腔清掃していた人では脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが低いことが報告されています。

歯科ドックで最大限の効果を得るためには、ドックの結果に基づいて適切な予防・治療が行われることが必要です。

お口の健康管理をすることは、歯を長持ちさせるだけでなく、糖尿病や心筋梗塞などのリスクを低下させ、健康寿命を延ばすことが期待されます。

歯科ドックを受けることは性別・年齢を問わず幅広い層の方にとって有用であると思われます。

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