目次
インプラントを入れた部分が歯周病の様な状態になる事を「インプラント周囲炎」と言います。歯周病の様に歯槽骨（インプラントと結合している骨）が溶かされていき、結果的にインプラントが抜け落ちてしまうリスクのある疾患です。
このページでは、インプラント周囲炎について詳しく解説いたします。
インプラント周囲炎の原因について
インプラント周囲炎の原因は、細菌の種類こそ歯周病とは違うとされていますが、歯周病と同じようにプラーク（細菌）が原因で発症します。粘膜（歯肉と同じような組織）とインプラントの間にプラークが溜まる事で炎症を引き起こし、インプラントを支える骨を溶かしていきます。
インプラント周囲炎には進行の程度によって変わります。
と言います。
歯周病と同じように、軽度・中等度・重度に進行度合いが分けられます。
歯周病の進行度を知りたい方は以下のページをお読み下さい
インプラント周囲炎になると、下記のような症状が現れます。
歯周病と同じように、自覚症状（痛みなど）を伴わずに進行するのが特徴です。
非外科的治療の場合、インプラントの周囲に付着しているプラークを除去します。場合によって、インプラントと粘膜の間に薬剤を入れたり、薬剤でうがいをするなどして、細菌を殺菌・洗浄します。急性炎症を抑えるために、抗生物質を一定期間服用してもらうこともあります。
粘膜を切開し、インプラント体を露出させます。そのうえで、インプラント体の表面を洗浄・消毒したり、機械的にインプラント体を清掃することで細菌や感染部を取り除いていきます。
感染によって失われた骨を回復させることを目的とした再生療法が行われることもあります。インプラント治療で行われるような骨造成や歯肉を移植して粘膜に厚みや固有粘膜を作る治療法も行われます。
これらすべての治療を行ってもインプラント周囲炎が改善されない場合は、インプラントを抜去する必要があります。
インプラント周囲炎を予防するためには、メンテナンスが必須となります。定期的に歯科医院に通い、プラークを取り除いてもらいましょう。また、喫煙などの生活習慣を見直すことも重要です。
インプラント治療を提案されている方で、色々と調べたらインプラント周囲炎の内容に出会った方もいらっしゃると思います。インプラント治療は素晴らしい治療である一方、このようにインプラント周囲炎のリスクもあります。
そのためにも、インプラント治療を行う前に「きちんと口腔衛生指導（歯磨き指導）を行ってもらえる」歯科医院を見つけることが重要です。その指導により患者さんご自身でプラークコントロールが適切に行えるようになり、インプラント周囲炎にならない口腔環境を維持できる習慣ができて、はじめて安全に、しっかり機能するインプラントの治療ができると考えられます。
インプラント周囲炎はせっかく入れたインプラントが抜け落ちてしまう可能性がある歯周病に酷似した疾患です。インプラントを選択された場合は、メンテナンスを怠らずに行い、清潔な口腔内の維持を心がけましょう。
これを読めば、
歯周病がどのような病気なのかを知ることができます。
